なめこの空調栽培
農家レストラン&民宿「東和季の子工房」を教材に「なめこ空調栽培」を学習しましょう。
なめこを育てるには、①オガクズ(菌床)、②栄養、③種菌、④容器の4つが必要です。
季の子工房は①を㈲関根農林、②を㈱日清製粉(JA経由) と ㈱ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所、③④を㈱キノックスから仕入れています。
☜ 搬入したオガクズをフスマや搾りかすと一緒に攪拌します。
☜ なめこ菌床はネットで購入できます。 ☞ SMART AGRI
☜ オガクズは製材過程で生成する副産物 ☜ 北海道「林業お試しツアー」
☜ フスマは小麦の製粉から生成する副産物 日清製粉バーチャル工場見学より
☜ ウイスキー醸造から搾りかすが出ます。 ニッカ宮城峡蒸留所「蒸留所マップ」
なめこの空調栽培は林業、製粉業、酒造業などの副産物を有効利用しています。
使用後の菌床も土に還り、農作物の健康な成育に役立ちます。
①~④はセット商品として購入できます。
☜ 誰でも簡単に!作れるという【楽天市場】なめこ栽培キット
Q1. 季の子工房はなぜ簡単な方法を選ばないのですか?
種菌を人工環境下で大量に栽培するには高度な衛生管理が求められます。
雑菌を防ぐために殺菌すれば種菌も傷つきます。
ですから、安易に薬剤は使えません!
食品安全性の観点から安心できる素材のみが使えます。
①~④のセット商品を購入するだけでは企業的経営とのコスト競争に負けてしまいます。
いくら品質が高くても、購買意欲が低下したら経営が成り立ちません。
その点が農業経営の難しさです。
空調栽培は施設型農業で施設・機材への投資も重要です。
☞ 三菱農業機械
施設や機材についても同じことがいえます。
最新式を新品で購入すれば「規模の経済」が働きます。
つまり、稲作や露地野菜作などの過剰投資と同じ理屈です。
農業経営には家族経営独自のアイディアや技術が求められるのです。
Q2. 販売方法で課題が解決できないのでしょうか?
道の駅ふくしま東和に並べられた季の子工房のなめこのパッケージを何度か目にしました。
☟「道の駅ふくしま東和」の産直売り場
また、土日と祝日限定で、地元産小麦の石窯ピザが食べられる「道の駅さくらの郷」でも販売されています。
☟道の駅さくらの郷(企業組合さくらの郷)の産直売り場
地産地消だけでは、品質に見合う適切な収益の実現は難しいでしょう。
視野と販路を広げ、外部の支持を得ることも大切ではないでしょうか?
☟ファミリーマートますや針道店の生鮮食品売り場
オーガニック野菜と違い、なめこ単品を個別宅配の中心にするのは難しいと思います。
しかし、「有機野菜」+「なめこ」は強みにならないでしょうか?
しかも、なめこのユニークなレシピ(なめこ載せピザ!)情報付き!
顧客になるのは味覚や鮮度など品質センサーの高い人だと思います。
みやぎ生協の組合員(高齢者が多い)は食品安全性への思いが強いように思われます。
ヘビーユーザーが期待できる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、子供に実食してもらうのも大切だと思います。
その意味で、学校給食や理科の栽培実習は重要ですね。
2021年2月2日(節分)、二本松北小の献立には「なめこ汁」がありました。
空調栽培は他業種と協力して経営を育てる調整力が必要だと思います。
いわば、「生態学的マネジメント」といえるかもしれません。
それが東和季の子工房の元気の源だと思いました。