国見の冬景色

国見の冬景色

地下から掘り出された「燃える石」
それは恐竜が地上を闊歩していた時代
彼らの生命を維持するために
食料とされた鱗木の痕跡だろうか

その燃える石を燃やしつづけ
温室効果ガスを吐き続ける火力発電所
その彼方には朧げに牡鹿半島が見える
それを眺めて考える特異な生命体

そのような構図の中に
地球生態系の内部で互いに愛しあい
殺しあいながら増殖を続けるvirusの如く
生存圏を拡張する人間は存在している