国見探訪

国見探訪

現地(里山)を散策する前に、「仮想空間」で得ることができる仙台市の都市計画図にアクセスした。

国見6丁目は都市計画法に基づき住居専用地域と調整区域が明確にゾーニングされた圏域、
都市計画法の効用を歩きながら実感するのに適した土地柄(立地条件)であると考えられる。

踏査してみると、想像以上に里山の管理が十分とはいえない状態にあるように思われた。

里山に入ってみると、その一部には明らかに人の手が加えられた痕跡が残されていた。

また、樹々が元気に繁茂しているように見える場所もあった。

「住居専用地域」の指定を受けた住宅密集地とは明らかに景観が異なる。

今回の踏査から里山を有効に利用されていることがわかった。
山椒の木の果実(サンショウの実)を採集している方はその一例といえる。

エコ・カフェ秡川は「環境オタク」ではない。だが、そんな私たちでさえ、今回の踏査(散策型の現地調査)から「この状況を何とかできないか?」と思わずにはおられなかった。
杜の都仙台では、「環境をつくる条例」が定められている。

里山を開発して造成された住宅専用地域に暮らしながら、里山を維持する伝統的「知恵」や「技法」をもち、それを伝え教えることができる人材が、現代の「鳥屋守」として求められているのではないだろうか?

とはいえ、「総合政策」を名乗るエコ・カフェ秡川が森林管理を主業にするのは無理!
私たちは制度設計やまちづくりの視点から課題にアプローチしたいと考えている。
そこで、国土利用計画法制定の背景に迫ってみたい。

50~60年前の高度経済成長下の状況が本質的に変わっていない。地球規模の環境問題への危機意識の共有から生まれたSDGsの下、2020年代の里山保全はいかなる方向をめざすべきだろうか?

日本国内では植林よりも対象地の多い森林経営の再生が求められ、長い歴史をもつ持続可能な森林経営の知恵や技術をもつ方々を見出し、継承する必要があるのではないだろうか?
その意味において、植木章三教授(保健福祉学科)が登米市で取り組まれていた「森林セラピー」による高齢者の健康維持活動は、同時に、自然環境(地域の健康)維持活動をめざすものでもあったといえる。

Fieldwork in Kunimi