蛇石とSDGs

蛇石とSDGs

SDGsとは?

17の目標と169のターゲットからなる持続可能な開発目標です。

SDGsの目標は、①貧困対策②飢餓対策③健康と福祉④教育⑤ジェンダー⑥上下水の安全衛生対策⑦エネルギー⑧労働と経済⑨産業と技術革新⑩格差の是正⑪居住環境の保全とまちづくり⑫生産と消費⑬気候変動対策⑭海洋環境と海洋資源の保全⑮陸域生態系の保全⑯平和と公正⑰国際協調の17分野における持続可能性の向上と多岐にわたっています。

それは「治水」という単一目標を持続可能な地域開発に繋がる地域経営に関する問題として総合的に捉え、「ヤマタノオロチ」という物語に具象化した祖先の智慧を思い起こさせてくれるものかもしれません。

さて、今回は針道「蛇石」に関するお話しです。

」といえば「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」の神話が有名ですね。

富山県魚津市には「蛇石」があり、観光スポットの一つになっています。

魚津市観光協会公式サイト

☞ 「蛇石」は龍石とも呼ばれ白い花崗岩に貫入した黒い輝緑岩の模様が、まるで石に大蛇か龍が巻き付いているよう(中略)高さ約1.5m、幅約2mです。

「蛇石」に関する伝説

☞ 昔、狩人が巨岩を抱いた大蛇を発見し、金と銀の弾を撃ちこんだところ、雷鳴とともに石に絡み付いて死に絶え、その恨みによって大洪水が起きたといわれている

また、片貝川に洪水があると、そのたたりであると恐れられ、干ばつの時にはこの石を打ちたたけば必ず雷雨を伴うと信じられています。

魚津の伝説をふまえ、針道の「蛇石」を見てみましょう。

魚津の蛇石にくらべるとサイズはかなり小さいですが、左右を逆にすれば「白い花崗岩」部分の形は似ているような気もします。

残念ながら、大蛇が絡みついたとされている「黒い輝緑岩」の部分は見当たりませんでした。

ですが、「口太山」の「夏無沼」には大蛇伝説があります。

1.昔々、この夏無沼には、エメラルドグリーンの澄みきった冷水が湛えられていた。

☞ ということは泉が湧いていた?

2.夏でも冷気がただようその沼は、やがて「夏無沼」と呼ばれるようになった。

3.大雨が降っても沼の水が濁ることはなく、その深い水底には大蛇が生息していた。

☞  その「大蛇」の正体はいったい何なのでしょうか? 

 もしかして、首長竜の生き残り!?

【仮説】 大蛇は、夏無沼の「泉」の主、つまり、水神(弁財天など)の象徴ではないか?

☞ 「泉」の源は「口太山」(の地下水)!

 「水の神」それとも「山の神」、どっちかな?

※ 死んだ後に里山(口太山)に還り、里人の暮らしを守る先祖の霊魂を鎮める宗教施設(神社、仏閣など)が存在してもよさそうだが、羽山や木幡山のような史跡の情報にはたどり着いていない。

4.日照り(干ばつ)の年、農民たちが夏無沼の水を田に引く工事を行った。

 ☞ 事業規模から考えれば、工期は江戸時代だろうか?

5.夏無沼の水が干上がる前に大蛇は雲を呼び、その雲に乗って土湯の雌沼に移って行き、その水底に身を沈めたという。

☞ 「大蛇=水神」と考れば、

針道の「大蛇伝説」が神頼みの天水稲作から灌漑稲作への移行を物語るものであるとすれば、針道の「蛇石」は神に代わって水源の自然環境を守る意義を里に暮らす人々に伝えるモニュメント(記念碑)ではないだろうか?

農業用水として利用されている夏無沼は「口太山」の地下水が湧き出すが水源の自然の湖沼だった。

だが、灌漑用の溜池として利用するために、大蛇(神=自然の象徴)が司る(と信じられていた)自然を変えてしまった。

飢饉のない世の中をつくるために不可欠であった灌漑工事は、現在の地球温暖化と無縁であるとはいえない。

口太山夏無沼大蛇伝説蛇石は、SDGsについて足元から考える教材だと思います。

☜ 大蛇が移り住んだ「雌沼」は現在の「女沼」を指していると考えられます。

夏無沼(福島県二本松) – 水辺遍路 (hatenablog.com)